「事前避難」って何? -南海トラフ 自分の命を守るために-

2020年3月27日放送

3月27日、松山市が県内の自治体で初めて「事前避難対象地域」を公表しました。
「事前避難」って何?を記者解説します。

ポイント
① 南海トラフでの大地震は連動して起こるかもしれない
② 2回目の大地震に備えるための「事前避難」正しく知ろう!

 

大地震で県内の沿岸全域に大津波警報のおそれ…

白石こちらは南海トラフ巨大地震の想定震源域です。
まず、押さえておかなければならないのがこの震源域のどこでM8.0クラスの地震が起きても愛媛県内の沿岸全域で大津波警報が発表されるということです。

松岡まずは沿岸部のみなさん全員が避難しなければならないということですね。

白石そうなんです。それを踏まえた上でこの震源域の東側で巨大地震が起きた場合、過去の事例から愛媛県に近い西側でも大きな地震が連動して発生するおそれがあるということがわかっています。
例えば1854年のM8.6の安政東海地震は東側で起きたわけですが、その32時間後にM8.7の安政南海地震が西側で起きていることを考えると愛媛県民は次に起こる地震に備えなければなりませんよね。

松岡それに備えるのが今回の「事前避難対象地域」なんですね。

 

県内でも指定の作業進む、そして松山のどこが指定された?

白石県内の海に面する14の市と町で「事前避難対象地域」を指定する作業を進めていますが、その基準は津波からの避難が間に合わない地域というだけでなく、地盤沈下や堤防の決壊で海水が流入してくる恐れがある場合も想定しています。

松岡松山市が県内で初めて「事前避難対象地域」を公表したということですが具体的にはどの地域なんですか?

白石松山市によりますと(※3月27日現在)西垣生町の一部、辰巳町の一部、中須賀3丁目の一部、祓川1丁目の一部、祓川2丁目の一部、三杉町の一部、神田町の一部、住吉1丁目の一部、元町の一部、港山町の一部、和気町2丁目、太山寺町の一部、堀江町の一部、由良町の一部、中島大浦の一部の合わせて2440世帯5540人が対象です。
松山市はこの地域の高齢者や障害者、妊婦など避難に時間がかかる人に1週間、避難所などに事前避難を促すことにしています。

【南海トラフ地震臨時情報(巨大地震警戒)が気象庁から発表された場合】
松山市のホームページ

白石「事前避難対象地域」は松山市のHPに公開されていますが松山市は今後、対象となる住民に説明し周知を図っていく方針です。

松岡ぜひみなさん、松山市のホームページをご覧ください。

 


 

この情報は3月27日現在のものです。
事前避難対象地域や南海トラフ地震臨時情報など最新かつ詳細な情報は各自治体のホームページ等をご覧ください。
なお、5月末時点で事前避難対象地域を検討している14市町のうち、松山市と上島町が決定。

上島町は津波による事前避難対象地域がないとしています。